第35回テーマ
リオを愛する心を
持ったセレージャ

「リオを愛する心を持ったセレージャ」はブラジル3部作の完結編となります。キリスト像やサンバ、イパネマ海岸などで有名なリオデジャネイロは、たいていの日本人が知っている観光地。「セレージャがあのサプカイに立つ」というイメージで詞が作られたそうですが、テーマが大きくて苦労したとか。

曲は特徴的です。プレヂデンチのマスターは「3部作の最後・リオは明るい感じがいいよなと思った」そうですが、見事に明るく元気で、覚えやすくしかも個性的なメロディーとなりました。

夏の浅草には珍しく涼しい日で、時節、強い雨も降るあいにくの天気でしたが、不思議なことにセレージャがスタートするときピタッと雨が止んだのです。セレージャのパレードは晴れるというジンクスは生きていました。パレードは、サッカーボールをイメージしたバイアーナなど、リオの楽しい雰囲気を多彩なアーラで伝え、観客の目を楽しませました。アレゴリアのキリスト像も、倒れたり光ったりと、工夫が凝らされていました。バテリアも、小物楽器を中心に久しぶりに振り付けがほどこされ、動きのあるパレードに。かわいらしいクリアンサスが母親たちと共演するアーラもあり、セレージャの家族的な雰囲気が上手に表現されていました。

ハイーニャは2年連続3回目。「タンボリンの音の大きさで、後ろがどのくらい詰まっているかも分かるようになり、距離を見るために後ろを振り向く回数が減った」といい、大舞台に慣れてきました。「みんなの笑顔が出るようになってきたのもこの年から」だそうです。

順位は、S1リーグ9チーム中8位。前年から1つ落としてしまいましたが、見方を変えれば、このころからセレージャは、ここ一番で「土俵際で踏みとどまる」という得意技を発揮するようになったと言えます。今でも堂々、S1に君臨しています。

こうしてセレージャのブラジルの旅は無事終了。後日談ですが、第4部の構想もあったそうですが、「今度は自分たちで一からパレードを作りたい」という声が出て幻に終わったそうです。多くの人たちの新たなエンヘードへの思いは、2017年の「SHOW」へとつながっていきます。

(写真提供 みなと氏)

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