五香の町の小さなエスコーラ マツド・セレージャ メウコラソン

改めまして、この度新プレヂデンチに就任しましたナオキです。稀にアントニオと呼んでいただけることもあります。呼び方はお好きな方でお願いいたします。

フロール・ジ・マツド・セレージャは今年20周年を迎えました。セレージャは、設立メンバーであり初代プレヂデンチである松井の情熱を乗せ、小さいながらも着実に地域に根付き、育まれてきました。松井の熱量が多くの人を巻き込みながら、20年走り続けたセレージャ。浅草サンバカーニバルでは2009年にS2リーグで優勝、以降S1リーグに残留し続け、地元松戸ではセレージャ主催のショーを開催するなど、精力的に活動してきました。

そして今年、セレージャはひとつの機会を得ることになります。松井はかねてより言っていました。「20年でプレヂデンチを降りる」と。果断な判断力、強い実行力、激しい行動力でセレージャを牽引してきた松井は、有言実行の男でもあり、その意思は堅いものでした。

松井が自ら定めたプレヂデンチとしての最後の年に、掲げたスローガンは「チャレンジチャレンジ!」。プレヂデンチを降りると言いはる松井を翻意させられないのであれば。チャレンジすべきは、今、この瞬間ではないかと、私は次期プレヂデンチに手を挙げ、セレージャをより発展させる道に挑むことを決めました。

あえて暗いことを言います。セレージャは今、少なからず失望を抱えているのだと思います。

チームの象徴を失い・チームの中心を失い・チームを導いてくれていた大いなる存在を失いました。
(※松井は演者として引き続きセレージャでサンバを楽しみます!引退はしません!もちろん元気です!)

イベントは無くなり、練習は思うようにできず今後の見通しも立ちません。不安を抱えたまま、進むべき道はなく、エネルギーや情熱を発露させる場もありません。サンバは明るく陽気な印象ですが、一方で奴隷の踊りを背景に持つ説があることからも、悲しみや怒りを明るさでなぎ払うパワーを持っているのだと思っています。

失望の中にいるのなら、過酷な環境下に置かれているのなら、不安で将来が見通せないのなら今こそ全力でサンバを踊り、演奏し、観て、歌って、盛り上がる。演者と観客が織りなす熱を、個々の元気に替えていく。そんなエスコーラをここから目指していきたい。そう思っています。

松戸を発祥とし地域に根差したサンバチーム。そのスタンスは変わりません。サンバを愛し、真剣に取り組み、心から楽しめ、楽しませる集団である。そのスタイルも変わりません。今回セレージャが得た機会が、やがて転換点と呼ばれるのか、通過点と呼ばれるのか、今はまだわかりません。今言い切れることはこれが終わりの始まりではないこと。ここから次の20年に向けて始まっていくこと。その兆しは確かに見えていることです。

再始動に必要な原動力も、道行の過酷さも、生半可でないことは百も承知ですが、今いるメンバーと将来の仲間、セレージャを応援してくださる全ての皆様の力があれば必ず越えて行けると信じています。私にできることは僅かで、偉大過ぎる先代の足元にも及ばないことを嘆くよりも、今ここから、少しずつでも期待に応え続けることが命題だと思っています。

長々と書きましたが、要は至らぬ代表ですが精一杯頑張りますので、引き続きチーム共々よろしくお願いいたします!ということでした。最後に新プレヂデンチとして、それらしいことも言っておきたく、次のスローガンを掲げます。良い未来のイメージが止まらない、今の気持ちです。

「心、躍る」

ダンスの踊ると躍るを掛けてみました。辛くても厳しくても、歌って踊って心躍らせましょう!

フロール・ジ・マツド・セレージャ
プレジデンチ ナオキ