浅草サンバカーニバルが開催される前に、S1(1部)リーグに出場するチームのエンヘード(テーマ)曲を集めたCDが、毎年恒例で制作されます。といっても、コロナ禍で2019年を最後に中断されていたのですが。今年は5年ぶりに制作されることになりました。 てんやわんやな録音1日を2024カルナバであるタカタカにレポートしてもらいましよう。

わがセレージャも、今年のエンヘード「分断から協力へ~鍋」の曲を録音することになりました。 先日、いつもの練習場所・千葉県松戸市の森のホールに、バンド隊を含むバテリアが集結。「スルド・カイシャ・ヘピニキ」→「タンボリン」→「ショカーリョ」→「カバキーニョ」などと担当パートごとに収録を重ねました。エンジニアさんたちに来ていただき、たいへんありがたいサポートをいただきました。

1日がかりの作業。前日も夜が更けるまで練習したバテリアは、私を含めてかなりの人たちが眠そうです。しかし、何しろ後世まで残る音源です。録音が進むにつれて、いつにも増して緊張感が高まります。

完璧に練習してきた(昼食にハンバーガーの宅配を注文する方法まで練習しました)はずなのに…緊張のためか、なかなか一発オーケーとはいきません(ショカーリョだけは一発オーケーでした。すごい!)。うまくいったと思っても、聴き直してみるとなんじゃこりゃ、ということも少なくありません。

そういう場合、だれかから「やり直し」が入るというより、演奏者が自分から「もう1テイクお願いします」と食い下がるケースが多いです。みんな自分が納得するまでやりたいのです。

自分で言うのもなんですが、私の所属するタンボリン隊は、録音に関しては筋金入りの問題児です。毎年毎回、録音を長引かせる主犯のような存在でした。タンボリン2人で臨んだこの日も、撮り直しを重ねましたが、例年よりいくらかマシだった気も。何より、「失敗に優しく」「楽しくたたく」がモットーのタンボリン隊らしく、いっぱしのミュージシャン気分を味わいながら楽しめたと思います。

コーラスの収録では、ダンサー有志らも駆けつけて、みんなでエンヘードの歌詞を合唱しました。「(鍋を)食べれば仲間」とか「世界は分断から協力へ」とか歌っているうちに、歌に込められた思いがあらためて体の中に入ってくるようです。一体感も生まれたように思えました。合唱ってすごいなあ、教育現場で熱心にやるわけだ、と感心。

前プレヂによる伝統芸能「叫び」も収録。独特の感性によるワーディングがいくつも飛び出し、みんな笑いをこらえながら聴き入りました。最終的にどれが採用されるのか、わくわくしています。最後に、歌の収録を終え、なんとか17時の終了時刻に間に合いました。慌ただしく片付け、それぞれ家路に。私は一部の人たちとの反省会に参加し、地酒をいただきながら「来年こそもっと上手に」と誓ったのでした。

とにかく終わってよかった!CDの完成が楽しみです。サンバをやっていると、いろんな経験ができてありがたいなあ。そうあらためて感じた録音でした。

カルナバタカタカ