猛暑の一番暑い時間帯に沿道まで応援にかけつけてくれたセレージャファンの皆さん、いつも応援ありがとうございます。皆さんのおかげでパレードを無事に笑顔で終えることができました。また、1年間にわたって、歌、曲、踊り、衣装、演奏、アブリアーラの製作など、膨大な準備を、骨身を惜しまず準備してきてくれた多くの仲間たち、猛暑の中パレードに参加してくれた方たちには、感謝してもしきれません。この仲間たちと、これからもずっと一緒にサンバができて、お酒を飲めることこそ素晴らしいのだと気づけたのは、個人的には大きな収穫でした。たいへんありがとうございました。
セレージャが今年、浅草で披露したエンヘードは「分断から協力へ~鍋」。見知らぬ人とでも、鍋を一緒に囲めばたちまち仲良くなれる。チームの本拠地である松戸市のラーメン店「13湯麺」で、よくある光景です。これは実は素晴らしいことではないか? 鍋には、分断され戦火が絶えない世界の現状を変えるヒントが隠されているのかもしれない。鍋という料理自体、多種多様な具材があって初めて成り立つ料理だ…と思いついたわけです。それをジスフィレに落とし込み、最初は争っていた者たちが、一緒に鍋を囲んで仲良くなるまでのストーリーを描きました。いわば平和への願いを、浅草から世界に発信するパレードです。
ただ、現実は残酷なもので、S1(1部)リーグ8位、つまり最下位、S2(2部)リーグへの降格決定。セレージャは2009年にS2で優勝して以来、ずっとS1にいましたから、15年ぶりにS2へ、降格自体はチーム史上初となります。
審査結果を目にした瞬間、頭に浮かんだのは、「やはり現実は甘くなかった…」という思いと、「頑張ってくれたメンバー、支えてくれた方々、応援してくれた人たちに対して、ひたすら申し訳ない!」という思いでした。私自身、15年前の昇格を経験した世代ですが、年月を経て、その私がカルナバレスコ(総監督)を務めた年に降格。終生、反省を抱き続けるでしょう。
それでも、セレージャのパフォーマンスはよかったと褒めてくださる方々もいます。得点には結びつきませんでしたが、私たちが発信しようとしたメッセージは十分に伝わったのではないかと思います。
今の時代、交遊関係は主にネット空間という人も多いと思いますが、サンバはそれでは成り立ちません。一緒の時間を共有して初めて、演奏も踊りも意味をなします。経済的な成長や安全網が頼りにならないこれからの時代、リアルに仲間とつながるサンバ的な生き方の方が幸せな生き方ではないか。そんなふうにも感じています。
セレージャの過去のエンヘードに「再生」という曲があります。再生への道を歩み出すセレージャに、今後もご注目いただければ幸いです。
2024年浅草カルナバレスコ タカタカ